こんにちは。薬膳漢方マイスターのおにぎりです!
2020年以降「新型コロナウイルス感染症」の影響で、ライフスタイルが
大きく変化しました。
在宅時間が長くなって運動不足、外出自粛のストレスによる暴飲暴食、お昼
を簡単にインスタント食品で済ませてしまうなど、健康に良くない生活習慣が
続いて、気がつけば体重増加!!
そんな悩みを解決する手段として脚光を浴びたのが「食べる薬」薬膳。
でも実際に「薬膳を取り入れればなんでも体に効果あるのかな?」
と思っていませんか?
答えは、効果なしもあります。
そこで、効果なく注意したほうがいい食材の使い方や組み合わせご紹介します。
まずは、必要とされる基礎知識を簡単簡潔にご説明していきます。
1:薬膳効果ありとなしを知るのに必要な4つのキーワード
ここでは、薬膳・漢方について難しいことは記載はせず、簡単に誰でもわかり
最小限必要なことを説明します。
薬膳・漢方食材の性質や効果について大切な4つのキーワード。
1 / 熱性・体の中の冷えや寒さを取り除く効果。
・体を温める力が強く、エネルギー代謝を向上させる性質があります。
2 / 温性・疲れを癒やし気血の巡りを良くする効果
・熱性と同じ温める力。ただ、体を穏やかに温めて活性化させる性質があります。
3 / 平性
・体を温めたり冷やしたりすることはありません。
4 / 寒性・のぼせ、ほてりを改善する効果
・体を冷やし炎症を鎮めて毒を排泄する性質があります。
5 / 涼性・発熱、のどの痛み、便秘を改善する効果
過度に活性化した体を冷まし鎮める性質があります。
1 / 酸味=酸っぱい味。
・ものをひきしめ、収斂する作用があり、多汗や頻尿症状を改善する。
2 / 甘味=甘い味
・痛みをとって和らげ、緊張を緩める作用があり、胃腸を整え滋養強壮に効果がある。
3 / 辛味=辛い味
・発散する作用と温める作用があり、血のめぐりを良くする効果がある。
4 / 苦味=苦い味
・体内の余計な水分を取り除き排泄作用があり、便秘やむくみを改善する。
5 / 鹹(かん)味=塩味
・ものを和らげ、潤す作用があり、便秘や腫れ物を改善する。
漢方では内臓を五臓六腑に分けていますが、現代医学で使われる内臓とは考え方が異なります。
以上が薬膳・漢方食材の性質や効果について大切な4つのキーワードです。
次章の食材説明の中に、各食材の五性・五味・帰経をデータとして書きます
ので、都度この章を見て確認していただければ、より理解できます。
では、食べ合わせで効果なし食材をご紹介します。
2:食べ合わせで効果なし食材!
まずは、食べ合わせによって、全く効果がなくなってしまう食材同士を、
ご紹介していきます。
ここで再度お伝えしますが、薬膳は、漢方の考え方を基本に季節や体質に
合わせて食材を選んで料理を作るので、漢方食材だけではなく一般的な食材
も使用します。
漢方食材
金針菜 × ほうれん草
金針菜に含まれる豊富なカルシウムの吸収が、ほうれん草のシュウ酸によって
妨げられます。また、両方とも涼なので体を冷やします。
・金針菜 / 5性=涼 五味=甘 帰経=肝、脾、腎
・ほうれん草/ 5性=涼 五味=甘 帰経=胃、大腸
なつめ × ねぎ
腹痛や腰痛を起こすことがあります。また、両方とも温性で、一緒に摂ると余分な
熱が体に停滞炎症を起こしやすい。
・なつめ/ 5性=温 五味=甘 帰経=肝、胃
・ねぎ / 5性=温 五味=辛 帰経=肺、胃
一般食材(五十音順)
枝豆 × チーズ
えだまめのフィチン酸が、チーズのカルシウムの吸収を妨げます。
・枝豆 /5性=平 五味=甘 帰経=脾、胃、大腸
・チーズ/5性=寒 五味=甘、酸 帰経=肺、肝、脾
きゅうり × びわ
きゅうりのビタミンC分解酵素のはたらきで、びわの栄養価を低下させる。
きゅうりとびわは作用が相反するため、お互いのはたらきが減弱する。
・きゅうり/5性=涼 五味=甘 帰経=脾、胃、大腸
・びわ /5性=涼 五味=甘、酸 帰経=脾、肺、肝
さといも × ヨーグルト
さといものシュウ酸がヨーグルトの豊富なカルシウムの吸収を妨げる。
・さといも /5性=平 五味=甘、辛 帰経=胃、大腸
・ヨーグルト/5性=涼 五味=甘、酸 帰経=肺、肝、脾
さくらんぼ × 太刀魚
さくらんぼの栄養が破壊される。
・さくらんぼ/5性=温 五味=甘、酸 帰経=脾、胃、腎
・太刀魚 /5性=温 五味=甘、鹹 帰経=脾、胃
豆腐 × ほうれん草
金針菜と同じように、カルシウムの吸収がほうれん草のシュウ酸によって
妨げられます。また、両方とも涼なので体を冷やします。
・豆腐 /5性=涼 五味=甘 帰経=脾、胃、大腸
・ほうれん草/5性=涼 五味=甘 帰経=胃、大腸
ニンニク × はちみつ
胃腸を刺激して腹痛を起こすことがあり、はちみつの栄養成分をニンニクが
壊すと言われています。
・ニンニク/5性=温 五味=辛 帰経=脾、腎、肺、大腸
・はちみつ/5性=平 五味=甘 帰経=脾、肺、大腸
にら × はちみつ
両方とも便通作用があるので、同時にとると下痢になる。
・にら /5性=温 五味=辛 帰経=肝、腎、胃
・はちみつ/5性=平 五味=甘 帰経=脾、肺、大腸
にんじん × 唐辛子
にんじんは便通を改善、とうがらしは消化器系を温めて湿気を散らすので、
一緒に摂るとお互いのいい作用を妨げる。
・にんじん/5性=平 五味=甘 帰経=肺、脾、肝
・唐辛子 /5性=熱 五味=辛 帰経=心、脾
バナナ × やまいも
バナナもやまいももエネルギーや体液を補うため、一緒に摂ると巡りが悪くなり、
お腹が脹って痛くなる。
・バナナ /5性=寒 五味=辛 帰経=脾、胃、大腸
・やまいも/5性=平 五味=甘 帰経=脾、肺、腎
これ以外にも、まだ効果がなくなる食材の組合せがあります。まずは、同じ5性の
食材同士を食べすぎないように気を付けることが一番です。
食べ合わせの記事で「夏バテ防止!食材に愛をこめて、超絶食べ合わせ。」と
いう記事もありますのでご参考に!
それでは次に体質によって注意が必要な食材をご紹介いたします。
3:体調で注意が必要な食材!
ここでは、体質によって注意が必要な食材をご紹介します。
自分の体調をしっかり把握して、自分の体調に合わない食材はどれなのかを
確認してください。
胃弱気味
- 竜眼肉 :5性=平 五味=甘 帰経=心、脾
- とうもろこし:5性=平 五味=甘 帰経=大腸、胃
- セロリ :5性=涼 五味=甘、辛 帰経=肝、脾、胃、肺
- メロン :5性=寒 五味=甘 帰経=心、脾、胃、肺、大腸
のぼせ気味
- 黄耆 :5性=温 五味=甘 帰経=脾、肺
- みかん :5性=温 五味=甘、酸 帰経=脾、肺、胃
- ムール貝:5性=温 五味=鹹 帰経=肝、腎
冷え性
- ミント:5性=涼 五味=辛 帰経=肺、肝
- トマト:5性=寒 五味=甘、酸 帰経=肝、脾、胃
- なす :5性=涼 五味=甘、 帰経=脾、胃、大腸
貧血気味
- ローズマリー:5性=温 五味=辛 帰経=心、胃、肝
皮膚疾患
- パクチー:5性=温 五味=辛 帰経=肺、脾、胃
高血圧
- とうがらし:5性=熱 五味=辛 帰経=心、脾
糖尿
- ビーツ:5性=涼 五味=甘、辛 帰経=肺、脾、胃
- バナナ:5性=寒 五味=甘 帰経=脾、胃、大腸
肥満
- さつまいも:5性=平 五味=甘 帰経=脾、腎
妊娠中
- 紅花:5性=温 五味=辛 帰経=心、肝
- 山楂子:5性=温 五味=酸、甘 帰経=脾、胃、肝
- セージ:5性=寒 五味=苦、辛 帰経=心、肝、脾
以上が、体調別の要注意食材です。
体調をしっかり管理するには、地元産の旬の食材を積極的に食べるのが大切です。
4:まとめ 薬膳的、食材のやってはいけない使い方
せっかく体にいい薬膳を取り入れた食事を食べても、食べ合わせや、
体調をいっそう悪くする食材を食べてしまうと、全く効果がなくなってしまいます。
「薬膳を取り入れればなんでも体に効果あるのかな?」答えは効果なしもある。
キーワード1:五性=食べものが体の機能にもたらす5つの性質
1 / 熱性
体を温める力が強く、エネルギー代謝を向上させる性質があります。
2 / 温性
熱性と同じ温める力。ただ、体を穏やかに温めて活性化させる性質があります。
3 / 平性
体を温めたり冷やしたりすることはありません。
4 / 寒性
体を冷やし炎症を鎮めて毒を排泄する性質があります。
5 / 涼性
過度に活性化した体を冷まし鎮める性質があります。
キーワード2:五味=食材の味を5種類に分類
1 / 酸味=酸っぱい味。
2 / 甘味=甘い味
3 / 辛味=辛い味
4 / 苦味=苦い味
5 / 鹹(かん)味=塩味
キーワード3:五臓六腑=臓器を体の機能や働きで分類
【五臓】
1 / 肝=精神活動の安定・血液の貯蔵と全身への供給・運動機能の調整
2 / 心=睡眠リズムの調節・血液の循環・体温の調節
3 / 脾=食物の消化吸収・血液の漏出防止・筋肉の形成
4 / 肺=呼吸機能・全身の血と水の調整を生成・皮膚機能の制御
5 / 腎=成長発育、生殖能を司る・歯牙の形成維持・水分代謝の調節
【六腑】
1 / 胆=胆汁を貯蔵、排出し、食べ物の消化吸収を助ける働き。
2 / 小腸=胃で消化された物を受け、栄養分を脾に、不要物を膀胱や大腸に送って排泄。
3 / 胃=飲食物を消化して、小腸や大腸に下ろす役割。
4 / 大腸=小腸から食物残渣を受け、直腸、肛門を経て体外に排泄。
5 / 膀胱=小腸から送られてきた余分な水分を貯め、それを体外に排泄。
6 / 三焦=身体の水分や気血を体のすみずみに送り、不用な物を尿や便として排出。
キーワード4:帰経(きけい)=五味と対応する五臓六腑の組合せ
・金針菜 × ほうれん草
金針菜に含まれる豊富なカルシウムの吸収が、ほうれん草のシュウ酸によって
妨げられます。
・なつめ × ねぎ
腹痛や腰痛を起こすことがあります。また、両方とも温性で、一緒に摂ると余分な
熱が体に停滞炎症を起こしやすい。
・枝豆 × チーズ
えだまめのフィチン酸が、チーズのカルシウムの吸収を妨げます。
・きゅうり × びわ
きゅうりのビタミンC分解酵素のはたらきで、びわの栄養価を低下させる。
・さといも × ヨーグルト
さといものシュウ酸がヨーグルトの豊富なカルシウムの吸収を妨げる。
・さくらんぼ × 太刀魚
さくらんぼの栄養が破壊される。
・豆腐 × ほうれん草
金針菜と同じように、カルシウムの吸収がほうれん草のシュウ酸によって
妨げられます。
・ニンニク × はちみつ
胃腸を刺激して腹痛を起こすことがあり、はちみつの栄養成分をニンニクが
壊すと言われています。
・にら × はちみつ
両方とも便通作用があるので、同時にとると下痢になる。
・にんじん × 唐辛子
にんじんは便通を改善、とうがらしは消化器系を温めて湿気を散らすので、
一緒に摂るとお互いのいい作用を妨げる。
・バナナ × やまいも
バナナもやまいももエネルギーや体液を補うため、一緒に摂ると巡りが悪くなり、お腹が脹って痛くなる。
胃弱気味 /竜眼肉、とうもろこし、セロリ、メロン
のぼせ気味/黄耆、みかん、ムール貝
冷え性 /ミント、トマト、なす
貧血気味 /ローズマリー
皮膚疾患 /パクチー
高血圧 /とうがらし
糖尿 /ビーツ、バナナ
肥満 /さつまいも
妊娠中 /紅花、山楂子、セージ
自分の健康や家族の健康のために、毎日でなくていいので薬膳を取り入れて
食事をしてみてください。
無理せず自分ができる範囲で!もちろん効果のない食べ方には注意です。
薬膳以外にもマクロビオティックという食事法も健康にはいいです。
薬膳とマクロビオティックを合わせて体調管理をするのも効果的!
マクロビオティックについて詳しい記事がありますのでご覧ください。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。