こんにちは。薬膳漢方マイスターのおにぎりです!
ドラマ全領域異常解決室(以下、全決)、話題沸騰ですね。
たくさんの神さまの存在が明らかとなり、その神さまがどんな神さまなのか興味津々。
それぞれの神さまには特徴があり、神格やご利益などが違ったりします。
広瀬アリスさん演じる天宇受売命は芸能の神、福本莉子さん演じる豊玉毘売命は
海の神であったりと。
それぞれの神さまは、古事記や日本書紀に登場してきます。
今回は、全決に登場する神さまの特徴やご利益、祀られている主な神社、登場する神話
などをご紹介していきます。
ちなみに、神社本庁監修の「神社検定」というのを皆さんはご存知ですか?
神社についての正しい知識を学び、 日本のこころを再発見していただくために
スタートした検定で令和6年で12回目です。
私は令和4年に一番簡単な級を受験し認定証をいただきました。
興味にある方はこちらをご覧ください。
1:日本の神さまって?
日本の神さまは八百万いると言われています。
もともと、太陽、月、風、雨、海、水、木、岩、動植物など
自然現象を人格化したもの。
これは、自然、衣食住など身の回りのさまざまなものに神さまはいるという
神道の考えからきています。
そして、古事記や日本書紀に登場する神々が神社に祀られるようになり
八百万の神々として日本人の生活に結びついてきました。
八百万とは、800万という数ではなく、数え切れないほどいる多いという例えです。
日本の国土を創造したのが伊邪那岐神と伊邪那美神。
古事記や日本書紀の神話に登場する最古の夫婦神で多くの神さまを生み出していきます。
ちなみに、万物の根源を示す三柱と言われているのが
天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神。
伊邪那岐神と伊邪那美神が生んだ神の中でも最も貴い神で日本三貴神と呼ばれているのが、
天照大御神、月読命、建速須佐之男命。
月読命は全決で石田ひかりさんが演じていました。
日本の最高神は三貴神の一人、天照大御神、一番強い神は武甕槌神、
一番美しい神は木花佐久夜姫、一番頭のいい神は思金神と言われています。
古事記や日本書紀には、この他に個性豊かな神々がたくさん登場してきますので、
ぜひ一度お読みください。
つづいて、全決に出てくる、普段使わない用語を少しだけ解説します。
1)修理固成(しゅりこせい)
古事記に、ここに天つ神諸の命もちて、伊邪那伎の命、伊邪那美の命、二柱の神に、
「この漂(ただよ)へる国を修(をさ)め理(つく)り固(かた)め成(な)せ」と
書かれています。
これが修理固成で意味は、「漂っている国土をしっかりとつくり固めるように」
変化する世の中で、変化に応じて再構築していくという事です。
2)言戸を渡す
全決では、神の記憶を消去する呪文として使われていますが、
古事記では、伊邪那岐神が伊邪那美命に「離婚します」と告げる場面で出てくる言葉で、
大事なことを渡すという意味です。
3)黄泉の国
記紀の伝承では、高天原、葦原中国とともに、神話的な宇宙空間を構成する世界で
死者が住む世界として描かれます。
ちなみに、黄泉の国の入口は黄泉比良坂と記述にあります。
古事記に、伊邪那美命は火の神を生んだことで大火傷を負い黄泉国へ去ってしまい
伊邪那岐神が伊邪那美命に会うため黄泉国へ向かうというくだりがあります。
4)役小角/えんのおづぬ
全決で「事戸渡し」を習得した人間「役小角」というくだりがあります。
「事戸渡し」を習得した人間「役小角」とは、日本独自の山岳信仰である修験道の開祖と
言われ、不老不死になったなどという数々の信じられない伝説を持っている日本最古の呪術者。
次の章では、いよいよ全決に出てくる神々の登場です。
2:全決に出てくる神々の御姿と出逢える神社
ここでは、全決に出てくる神々の御姿やご利益、
主な出逢える神社をご紹介します。
興玉神はよくわからない神さまで、猿田彦大神と同一だと言われたりしますが
実際のところは不明。
古事記には出てきませんが、日本書紀の「二見興玉神社・夫婦岩」に興玉神岩
という記述が出てきます。
魂を導き甦らせる神。また、土地の邪悪を鎮め守護する大地主大神と言われています。
ご利益
縁結び、・夫婦円満、交通安全
御祭神として祀られて主な神社
・伊勢神宮内宮所管社二見興玉神社(三重県伊勢市)
神格「御門の神」
天孫降臨にも登場する神さまで、境界の外から侵入しようとするあらゆる災厄を防ぎ、
人々の生活を守る神さまとと言われています。
ご利益
家内安全 無病息災
御祭神として祀られて主な神社
櫛石窓神社(兵庫県丹波篠山市) 天岩門別神社(岡山県美作市)
神格「芸能の神」
天石屋戸にこもった天照大御神を外に連れ出すため天石屋戸の前で踊った女神。
神楽や俳優といった日本芸能の祖神とされており、芸能の神格を持つ日本最古の踊り子。
日本の女神の中でもすごく有名な神さまです。
ご利益
技芸上達 縁結び 夫婦和合
御祭神として祀られて主な神社
佐瑠女神社(三重県伊勢市) 佐地神社(丹波市青垣町)
神格「穀物神」
お稲荷さんと呼ばれ全国の稲荷神社で祀られる神さまです。
「衣食住ノ太祖ニシテ萬民豊楽ノ神霊ナリ」と崇められる食物の神さまです。
ご利益
五穀豊穣 商売繁盛 諸願成就
御祭神として祀られて主な神社
伏見稲荷大社(京都市) 各地の稲荷神社
神格「海の神・水の神」
竜宮に住む大海神おおわたつみの娘。
釣り針を探しに来た山幸彦と出会い結婚したと言われ、浦島太郎の乙姫のモデルです。
ご利益
安産 子孫繁栄
御祭神として祀られて主な神社
海神神社(長崎県対馬市) 住吉大社境内摂社大海神社(大阪市)
神格「道の神」
天孫降臨神話に登場し、邇々芸命を道案内した神さまで導きの神。
交通安全の守護神として警視庁にも祀られています。
広瀬アリスさん演じる天宇受売命と結婚した神です。
ご利益
災難・方位除け 交通安全 殖産興業
御祭神として祀られて主な神社
椿大神社(三重県鈴鹿市) 猿田彦神社(三重県伊勢市)
神格「医療の神」
一寸法師などの小人神のルーツとされています。
薬草に詳しく、豊かな知識や技術も備え万民の病難を救う神さまです。
また、国作りをした神さまでもあります。
ご利益
国土安寧 病気平癒 育児守護
御祭神として祀られて主な神社
少彦名神社(大阪市)大洗磯前神社(茨城県大洗町)
神格「海の神」
宗像三女神の一柱。
宗像三女神とは、アマテラス大神とスサノオ尊の誓約から生まれた市杵島姫神、
田心姫神、湍津姫神の三女神です。
天照大御神より海道の要所を任せられていて霊威の高い神さま。
ご利益
海上安全 金運 技芸上達
御祭神として祀られて主な神社
宗像大社(福岡県宗像市)
神格「国造りの神」
出雲大社の主祭神として祀られ、国造り国譲りなど日本の礎を築いた神さまです。
多彩な力と性格を持ち合わせる偉大な神さまで日本神話に記される英雄で
古事記の因幡の白兎の物語は有名です。
ご利益
夫婦和合 病気平癒 五穀豊穣
御祭神として祀られて主な神社
出雲大社(島根県出雲市) 八坂神社大国主社(京都市)
神格「月の神」
日本三貴神、天照大御神、月読命、建速須佐之男命の一柱。
海や船、水や不老不死の生命力とも関係が深い神とされており、
死と再生を意味する神さまです。
ご利益
五穀豊穣 航海安全 家内安全
御祭神として祀られて主な神社
伊勢神宮月読宮(三重県伊勢市)月山神社(山形県東田川郡)
神格「海の神・商業の神」
海に流された神さま。
『古事記』では子作りの際に女神から先に男神に声をかけた事が原因で
不具の子に生まれたため、葦舟に乗せられ海に流された。
『日本書紀』では3歳になっても脚が立たないので、クスノキで作った船に
乗せられ流された。
という悲しい生い立ちですが、その後、海からの来訪神の伝承としてエビス信仰と
結びつき福の神として定着していきます。
ご利益
豊漁繁栄 航海安全 商売繁盛
御祭神として祀られて主な神社
西宮神社(兵庫県西宮市) 蛭子神社(神奈川県鎌倉市)
神格「防災防疫の神」
変化に富んだ謎の多い神で、名前の通り猛々しく、あるときは乱暴者、あるときは英雄。
ヤマタノオロチ退治に成功するなど武の神として崇められることもある。
ご利益
縁結び 厄除け 商売繁盛
御祭神として祀られて主な神社
須佐神社(島根県出雲市) 氷川神社(埼玉県さいたま市)
神格「託宣の神様」
古事記に「吾は悪事も一言、善事も一言、言離の神、葛城一言主の大神なり」という
記述がある通り事の善悪を一言で断言できる力を持つ神様で、一言の願いであれば
何でも聞き届ける神さまと言われ信仰されています。
ご利益
一言であれば全般
御祭神として祀られて主な神社
一言主神社(茨城県常総市) 葛城坐一言主神社(奈良県御所市)
1)大物主神(おほものぬしのかみ)
第一被害者、大守浩志 関東医科大学理事長。
国作りを行なった神さまですが、
『日本書紀』では大国主神の別名として大物主神の名が記載されていて、
『古事記』では、大物主神と大国主神はともに国作りを行っており、
二神は別神として描かれています。
どういうことかというと、大国主命が出雲国造の祖神であり出雲大社の祭神で、
大物主神は大国主命が三輪山に鎮めた和魂(幸魂・奇魂)ということです。
2)伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)
第二被害者、石狩愛美 ジュエリーデザイナー。
指物工芸の守護神としても崇敬されていて、三種の神器の一つ「八咫鏡」を
作った神さまです。
3)建御雷之男神(たけみかづちのを)
第三被害者、健実和生 政治家・元格闘家。
古事記「出雲の国譲り」では、出雲の統治権を譲渡させる功績を挙げた神さまで、
日本三大軍神の一柱であり、建御名方神と共に相撲の祖神とされます。
4)大宣都比売(おほげつひめ)
第四被害者大月比呂佳 料理研究家。
穀物神で日本食物の神。
古事記では建速須佐之男命によって斬り殺されてしまう。
日本書紀では月読命によって同じように斬り殺されてしまうが
いずれの場合も後に大宣都比売の屍より、五穀などが発生し、人々に恵みを
与える種となった。
5)布刀玉命(ふとだまのみこと)
第五被害者、刀田楓真 大手広告代理店代表取締役
神社で見かける玉串や注連縄のルーツとされる神さま。
『日本書紀』では祭祀を司る忌部氏の遠祖と記されています
以上が、全決に出てくる神々のご紹介でした。
全決で出てくる各神さまの特殊能力と実際の神さまの御姿とは違いがある部分もありますが、
本来の神さまの御姿を知ることでもっと全決を楽しく観れることと思います。
つづいて、全決の神さまが出てくる物語(古事記から)を少しご紹介します。
3:全決の神さまが出てくる物語(古事記から)
多くの神々が登場し、日本神話や日本の信仰について知ることができる
「古事記」と「日本書紀」。
「古事記」は712年、「日本書紀」は720年、いずれも8世紀のはじめに
まとめられた現存最古の歴史書です。
この中に出てくる神さまの物語を4話を抜粋で簡単にまとめた内容をご紹介します。
伊邪那岐命が黄泉国(よもつくに)から帰ってくると、
「私はなんと醜く、酷く穢れた国に行っていたものだ。禊をして体を洗い清めよう」
といって竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原にいき、禊をすると多くの神々が誕生。
そして、伊邪那岐命が左の目を洗ったときに生まれた神が天照大御神。
次に右目を洗ったときに生まれた神が月読命。
鼻を洗ったときに生まれた神が建速須佐之男命。
この3神が「三貴子」で、天照大御神の誕生のお話し。
ドラマ「全領域異常解決室」関連の神
月読命(石田ひかり)
天照大御神は、孫の邇々芸命に三種の神器である八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣を授け、
豊葦原の水の穂国(とよあしはらのみずほのくに)を治めるために天降るように命じました。
邇々芸命は、猿田毘古神を天降りの先導役にして、天児屋命・布刀玉命・天宇受売命・
伊斯許理度売命・玉祖命を従者とし、更に思金神、天手力男神、天石門別神の3神を
加えて日向の高千穂に降り立ちました。
そして、壮大な宮殿ををつくり治めましたというお話し。
ドラマ「全領域異常解決室」関連の神
天石戸別神(藤原竜也) 天宇受売命(広瀬アリス) 猿田毘古神(迫田孝也)
布刀玉命(第五被害者)
須佐之男命の悪さで機織女が大けがをして死んでしまいました。
天照大御神はこれに心を痛めて、天岩屋戸という岩屋に隠れてしまわれたのです。
すると世界が真っ暗になり秩序は乱れ、様々な災いが起こるようになりました。
困りはてた神々たちは、天照大御神を天岩屋戸から出す相談をし作戦を実行。
無事、天照大御神を天岩屋戸から出すことができたというお話し。
ドラマ「全領域異常解決室」関連の神
天宇受売命(広瀬アリス) 伊斯許理度売命(第二被害者) 布刀玉命(第五被害者)
大国主神にはたくさんの兄神達がおり、その誰もが因幡の八上比売を
妻にしたいと考えていました。
兄神達は求婚するために連れ立って稲羽の国に出かけました。
若い大国主神は荷物を持たされ従者として同行させられました。
途中、皮を剥がされた兎が泣いていました。
兄神達にからかわれ、更に傷ついた兎を大国主神が助けるというお話しです。
いかがでしたか。
「古事記」「日本書紀」というと、なんだか硬くつまらないという印象をお持ちの方
が多いと思いますが、実はメチャクチャ楽しくて面白いお話のオンパレードなのです。
きっと神さまのことが身じかに感じると思います。
詳しく知りたい方は、神社本庁 日本の神話をご覧ください。
4:まとめ 神々の御姿
まとめとして、全決に出てくる神々の御姿を再度簡単にご紹介。
興玉神/おきたまのかみ(藤原竜也)
魂を導き甦らせる神。また、土地の邪悪を鎮め守護する大地主大神。
天石戸別神/あめのいわとわけかみ(これも藤原竜也)
境界の外から侵入しようとするあらゆる災厄を防ぎ、人々の生活を守る神さま。
天宇受売命/あまのうすめのみこと(広瀬アリス)
神楽や俳優といった日本芸能の祖神で芸能の神格を持つ日本最古の踊り子。
宇迦之御魂神/うかのみたまのかみ (小日向文世)
お稲荷さんと呼ばれ全国の稲荷神社で祀られる神さまです。
豊玉毘売命/とよたまびめのみこと(福本莉子)
釣り針を探しに来た山幸彦と出会い結婚したと言われ、浦島太郎の乙姫のモデルです。
猿田毘古神/さるたびこのかみ(迫田孝也)
天孫降臨神話に登場し、邇々芸命を道案内した神さまで導きの神。
少名毘古那神/すくなびこなのかみ(名村辰)
薬草に詳しく、豊かな知識や技術も備え万民の病難を救う神さまです。
市寸島比売命/いちきしまひめのみこと(諸林めい)
宗像三女神の一柱で天照大御神より海道の要所を任せられていて霊威の高い神さま。
大国主神/おおくにぬしのかみ(吉田鋼太郎)
出雲大社の主祭神として祀られ、国造り国譲りなど日本の礎を築いた神さまです。
月読命/つくよみのみこと(石田ひかり)
日本三貴神の一柱で死と再生を意味する神さまです。
水蛭子/ひるこ (?)
海からの来訪神の伝承としてエビス信仰と結びつき福の神として定着した神さま。
現段階(12/10現在)で16柱の神々が「全領域異常解決室」に登場しています。
この先も新たな神さまが登場すると思います。その時は随時追加していきます。
これをきっかけに神さまのことをもっと知りたいとか、古事記や日本書紀を
読んでみたいとか、そう思う方が増えることを期待しています。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。