こんにちは。薬膳漢方マイスターのおにぎりです。
私の元々の仕事は映像プロデューサーで40年間映像を作り続けています。
数えてはいないのですがおそらく制作本数1,000本以上。
最初の業種は映像エディター、ようするに編集マンです。
その後は番組ディレクター、プロモーション系ディレクターを経てプロデューサー。
と言う事で、今回は食とは全く違う仕事の話です。
何をやるにも基本ができてこそ応用がある。
基本がないと必ずどこかで行き詰まり問題に対処できない状況になります。
プロとして映像制作・動画制作をおこなっている方には当たり前のことですが、
編集・撮影基本のキをご紹介します。
これから映像制作・動画制作を趣味として、プロとしてやろうと思う方に!
1:知ってもあまり意味がない映像?動画?の雑学。
映像と動画どう違うか?
同じ作品でも映像という方と動画という方といらっしゃいます。
元々は映像という言い方のみだったのがいつの間にか動画という
言い方がでてきました。
あまり難しく考える必要はなく、大雑把に言うとどちらでも同じ。
簡単に言うと映像は、実写を中心とした映画やこテレビで放送されるもの。
動画は、インターネットを中心とした映像のこと。
とは言え基本的な考え方を知っておいて損はないので違いを説明します。
視覚的な画像表現。
映画やテレビをひとまとめに「映像」と呼ぶ。
静止画の連続とした表現。
最初はパラパラ漫画をめくるように連続した静止画をつぎつぎと映しだすことで
画像によって動きを表現するアニメーション。
ところがアニメーションという呼称が広く知られて定着すると、
動画という言葉がアニメを意味する言葉として薄れていきました。
そしてインターネットの普及によって動きを表現するコンテンツという意味で
ネット上の映像を動画と呼ぶようになったのです。
私が映像の仕事を始めた頃の映像の記録媒体は、U-maticVTR用ビデオテープ。
テープ幅が3/4インチなので、シブサンと言ってました。
テープを入れるときに「ガッシャン、ガッシャン」と大きな音がしてました。
次に出てきたのが1インチビデオオープンテープ。
そして撮影用にベーカム、編集用にD2。
更にデジべことデジタルベータカム。 DVCAM。 HDCAMと続いていきます。
とにかく目まぐるしく変わっていきました。
私も含め同時代に映像制作を行っていた方にとって大きな変化は画面比率が
変わったこと。
画面比率4:3で映像制作をこなってきたのが16:9とほぼ正方形から
横長のサイズに!
今までの感覚で画面を作ると両サイドがスカスカの絵になってしまいます。
4:3できれいに収まるのに16:9だとまったくダメ。
画面をどう作るか慣れるまで苦労しました。
今やSNSの縦サイズもあったりと・・・・
ちなみに縦サイズの動画は一点集中するのには抜群の効果があります。
と言う事で知っててもあまり意味がない雑学でした。
2:編集の基本のキ!テクニックではないです。基本のみ。
編集とは撮影した素材やグラフィックの素材、アニメーション素材
などを構成(台本)にそって順に繋いでいく作業の事。
基本はストーリーを組立てる構成をしっかり作る事からはじまり、
その構成にそって繋いでいきます。
ただ、運動会などお父さんが子供のために撮影した記録などの場合は
構成を作る訳ではないのでプログラムを構成の代わりにするといいです。
ちょっとプロ的な言い回しだと「複数のカットをつなぐことによって
ある特定の意味やムードを生み出す」これが編集の基本的な考え方。
それでは編集作業の基本的な流れをご説明します。
1)映像素材から必要な部分を取り出す
2)取り出した素材を並べ直す
3)並べ直した素材を繋ぎ合わせる
4)映像効果を加える
素材から必要なカットを取り出し、並べ直し、繋ぎ、必要な効果をつける。
いたって単純な流れですが、意外と複雑で大変な作業です。
まずは基本に忠実に繋いでいくことから始めましょう。
と言う事で編集の基本のキ。
連続性カットと不連続性カット。
🔳連続性カットとは突然転換したり飛躍したりするような流れ。
🔳不連続性カットとは突然転換したり飛躍したりするような流れ。
本来この2つを組合わせて編集作業を行うのですが、
まずは基本中の基本である連続性カットで編集しましょう。
カットですべてを繋いでも自然に見えることが基本です。
間違い例!
よくカットとカットを繋いで違和感があるならディゾルブ(効果)を
使って繋ぐといいよという方がいます。
テクニックを使う理屈がわかってやる場合はいいですが、
ここでは基本を中心としていますのでこのやり方はバツ。
カットとカットがつながらない事自体、繋ぎとしては間違いで、
更にディゾルブという効果の考え方がちがいます。
では、連続性カットを繋ぐやり方はどうすればいいのか?
1)人物と位置の連続性
人物の髪形や服装、物の位置が変わらないようにすること。
2)アクションの連続性
動きのあるカットは動きがつながるようにすること。
3)時間の連続性
前のカットと後のカットには基本時間経過はない。
時間経過を無視しないようにすること。
4)明度・色調の連続性
明度・色調が変わると明らかに不自然になるので、明度・色調はかならず
合わせるようにすること。
この4つの視点で繋いでいくと、見ている人に違和感を感じさせない
基本的な連続性のあるカット繋ぎが成立します。
カット繋ぎにはいくつか種類があるので参考に代表的な4種類をご紹介。
1)カットアウェイ=被写体から関連する被写体へつなぐこと
➡
2)視点カット=被写体の視点の先へつなぐこと
➡
3)アクションカット=一連の動きにへつなぐこと
➡
4)インサートカット=あるシーンに独立したカットを挿入すること
➡
➡
以上、代表的なカット繋ぎ4種類です。
カットで全て繋げてストーリーを完成させるのが基本ですが表現の幅を
広げる事を目的としてエフェクトを使うとクオリティが高くなるので
必要に応じて使ってみるのもいいです。
エフェクトの考え方は、感情、高揚感、スケール感の助長や
時間の表現のために使用しましょう。
エフェクトの多用は絶対避けるように!
🔳フェードイン・アウト
フェードインは、暗い画面から徐々に映像が鮮明になっていくエフェクト。
フェードアウトは反対に鮮明な映像から暗い画面になっていくエフェクト。
始まりの高揚感や余韻を残して終わらせたいときに適用するのがおすすめです。
🔳ワイプ
ワイプは、前のカットを拭き取るように消していくエフェクト。
注意を引いたり、過去を回想するなどによく使われます。
🔳ディゾルブ
ディゾルブは、カットした動画と動画を徐々に重ね合わせ次の動画へと
移行していくエフェクト。
時間経過を表現したいときに多く使われます。
決してカットの繋ぎをごまかすエフェクトではないです。
まとめると、
1)編集とは撮影した素材やグラフィックの素材、アニメーション素材
などを構成(台本)にそって順に繋いでいく作業の事。
2)編集作業の基本的な流れは、素材から必要なカットを取り出し、
ならべ直し、繋ぎ、必要な効果をつける。
3)編集の基本的な技法は2つ。
連続性カットと不連続性カット。
4)4つの連続性カットの視点。
人物と位置の連続性、アクションの連続性、時間の連続性、
明度・色調の連続性。
5)カット繋ぎの代表的な4種類
カットアウェイ、視点カット、アクションカット、インサートカット。
カットで全て繋げてストーリーを完成させるのが基本です。
以上が編集の基本のキでした。
3:撮影の基本のキ!難しいことはしないが無難。
つづいては撮影の基本のキです。
ズバリ、カメラをよけいに動かすな!三脚をちゃんと使え!
初心者やカメラが不得意な人は絶対に守る事項です。
よくクライアントの社員等が撮った撮影素材を使ってくださいと
指示があるのですが、編集時カットが繋がらな。
繋がらない理由は、三脚を使わずハンディで撮影しているため
手ぶれで映像が揺れ安定していない。
それでも、最近のカメラは手ぶれ補正がついているので多少は
いいですが、一番の問題はカメラをよけいに動かして
何を撮っているのかわからない事。
一定スピードで動かしていないのでガクガク動いているし、
撮りたい焦点がよくわからない動きだし、
動いている最中にオートフォーカスでピンずれの箇所が出てくるし、
良いこと一つもないです。
初心者はまずカメラを三脚につけてカメラを動かさず被写体を撮る。
このことを心がけると良いです。
では、撮影するうえで覚えておくといい基本の画面サイズ、アングル、
そしてカメラワークをご紹介します。
カメラをヒクほど情報量が多く状況説明的な映像になり、
カメラをヨルほど迫力のある映像になります。
基本は俯瞰、めだか、あおりの3アングル。
・俯瞰は物事を小さく見せたり、心理的な弱さを表現。
・めだかは落ち着いた自然な印象をあたえる。
・あおりは物事を大きく尊大に見せます。
- 初心者の基本は、カメラを固定して撮影するフィックス(FIX)。
- カメラを水平方向に動かしていくパン(PAN)。
=風景などの広さを表現したり、被写体の位置関係、視点の移動に効果的。
- カメラを垂直方向に動かしていくティルト(TILT)。
=パンと同じ効果があり、さらにポジティブな心理効果もあります。
- レンズをより引きするズーム(ZOOM)。
=特定の被写体を強調したり視点の誘導に効果的
カメラは結構値段が高いので、まずは色々な機種をレンタルして
自分に合ったカメラを見つけ、それから購入したほうが良いです。
ムービーカメラがいいのか、一眼のムービー機能がいいのか、
どこのメーカーが使いやすい、画像の色合いが好きとか。
創業から30年以上の老舗でクオリティの高いサービス、
豊富な在庫のAPEXレンタルがオススメ。
まずは一度レンタルしてみてください。
まとめると、
1)初心者やカメラが不得意な人はカメラをよけいに動かすな!
三脚をちゃんと使え!
2)画面サイズは基本5ショット。
フルフィギュア/FF・ニーショット/KS・ウェストショット/WS
バストショット/BS・アップショット/US
3)カメラアングルの基本は俯瞰・めだか・あおりの3アングル。
4)カメラワークの基本はフィックス・パン・ティルト・ズーム。
以上が撮影の基本のキでした。
4:まとめ 編集・撮影の基本のキはこれ
編集・撮影の基本のキは、
カットで全て繋げてストーリーを完成させるのが編集の基本のキ!
カメラをよけいに動かさず三脚をちゃんと使用するが撮影の基本のキ!
編集作業の基本的な流れ。
1)映像素材から必要な部分を取り出す
2)取り出した素材を並べ直す
3)並べ直した素材を繋ぎ合わせる
4)映像効果を加える
編集の基本的な技法。
連続性カットと不連続性カット。
連続性カットとは被写体や空間・時間が連続していてスムーズな流れ。
不連続性カットとは突然転換したり飛躍したりするような流れ。
カット繋ぎ代表的な4種類。
1)カットアウェイ
被写体から関連する被写体へつなぐこと
2)視点カット
被写体の視点の先へつなぐこと
3)アクションカット
一連の動きにへつなぐこと
4)インサートカット
あるシーンに独立したカットを挿入すること
ショット。
フルフィギュア/FF・ニーショット/KS・ウェストショット/WS
バストショット/BS・アップショット/US
アングル。
基本は俯瞰、めだか、あおりの3アングル。
俯瞰は物事を小さく見せたり、心理的な弱さを表現。
めだかは落ち着いた自然な印象をあたえる。
あおりは物事を大きく尊大に見せます。
カメラワーク。
カメラを固定して撮影するフィックス(FIX)。
カメラを水平方向に動かしていくパン(PAN)。
カメラを垂直方向に動かしていくティルト(TILT)。
レンズをより引きするズーム(ZOOM)。
いかがでしたか。
これが編集・撮影の基本のキです。
編集・撮影の仕方を教えている教科書やネットなどたくさんあり、
多少表現や考え方の違いがありますが、ここでは私が現場で学んだ事を
書いているとご理解ください。
まずは、楽しく編集・撮影していきましょう。
テクニックは後からでいいです。
最後までお読みくださりありがとうございます。