
こんにちは。薬膳漢方マイスターのおにぎりです!
「なんとなくお腹が重い」「食後に眠くなる」「冷えやすくて、疲れやすい」
そんな日々の小さなサインは、もしかすると“脾胃”の弱りかもしれません。
薬膳では、脾胃は消化吸収の要”と考えます。
ここが乱れると、冷え・むくみ・肌荒れ・気分の落ち込みなど、
さまざまな不調が現れることも。
ととのえ哲学では、脾胃を整えることを「自分をいたわる第一歩」と捉えます。
今回は、 6つのタイプ別チェックシートで、
今、あなたの脾胃がどんな状態かを知り美腸活につながる養生法を探ってみましょう。
1:“消化の要”脾胃ってなに?
私たちは毎日、食べ、動き、考え、眠っています。
そのすべてを支える「エネルギー」を生み出しているのが、
東洋医学でいう“脾と胃”。
薬膳の世界では、この二つをあわせて「脾胃(ひい)」と呼び、
体の消化吸収の中心と捉えます。
西洋医学の「胃腸」とは少し違い、
脾は食べたものを消化・吸収し栄養を全身に巡らせる働き。
胃はその材料を受け取り、きちんと分解して消化する役割。
体のバランスを「陰陽」や「五行」で捉える東洋医学において、
脾胃はその中心に位置します。
食べたものを“いのちの糧”に変えるだけでなく、
全身のバランスを整える要でもある脾胃。
ここが整えば、気力・肌・睡眠・感情までもが安定し、
日々の調和が生まれます。
逆に乱れれば、疲れやすさ、冷え、便通の不調などが現れ、
心身のバランスが崩れていきます。
だからこそ、脾胃をいたわることは、単なる「胃腸ケア」ではなく、
自分自身の内側を整える“哲学的な営み”なのです。
疲れを感じたとき、まず「食べること」「消化すること」に、
やさしさを向けてみましょう。
次の章では、そんな脾胃の働きが乱れたときに現れる6つのタイプ。
「脾気虚」「脾陽虚」「胃熱」「胃寒」「食積」「湿困脾胃」
それぞれのチェックシートから、自分の“今”を見つめていきます。
2:チェックシートで脾胃セルフ診断
脾胃の状態は、日々の小さなサインに現れます。
薬膳では、脾胃の状態を6つのタイプに分類。
ととのえ哲学では、「気づくこと」が整えの第一歩。
以下のチェックシートで、今の自分の状態を見つめてみましょう。
以下の各項目に「はい」が多いタイプが、あなたの現在の脾胃の状態です。
特徴:エネルギー不足・消化力低下
- 食後すぐ眠くなる。
- 食欲が不安定。
- 舌のふちに歯のあとがある。
- 疲れやすく、だるい。
- 顔色が黄色っぽくツヤがない。
特徴:冷えによる消化不良
- 手足が冷える。
- 温かいものを好む。
- 下痢しやすい。
- 朝起きるのがつらい。
- 顔色が白く、血色がない。
特徴:消化過多・熱性の不調
- 舌が赤く、苔が黄色っぽい。
- 口臭が気になる。
- のどが渇き、水をたくさん飲む。
- 食欲旺盛で食べすぎる。
- 空腹時に胃がチリチリ痛む。
特徴:胃の冷えによる不調
- 冷たいものを食べると腹痛になる。
- 食欲がなく、胃が重い。
- 舌が白っぽい。
- 温かい飲食で調子が良くなる。
- 顔色が青白く、手足が冷たい。
特徴:食べ過ぎ・消化不良
- 胃もたれしやすい。
- げっぷやガスが多い。
- 口臭がある。
- 食後に不快感がある。
- 便秘または下痢を繰り返す。
特徴:水分代謝の停滞
- 胃もたれや吐き気がある。
- 体が重だるい。
- むくみやすい。
- 雨の日や湿気の多い日に不調。
- 舌が白くて厚い苔がある。
チェックリストを通して、自分のタイプがわかったでしょうか。
それは、単なる分類ではなく、「今の自分に何が必要か」を知るためのものです。
次は、自分のタイプもとに、体に寄り添う食材と暮らし方を見ていきましょう。
整えは、いつも日々の選択の中にあります。
3:タイプ別の整え養生法

薬膳では「食は薬」と考えます。
脾胃の状態に合わせて、食材や調理法を選ぶことで、
体の声に応えることができます。
以下では、6つの脾胃タイプに合わせたおすすめ食材と、
日々の過ごし方のヒントをご紹介します。
あなたの整え週間の参考にしてみてください。
- おすすめ食材:米、山芋、かぼちゃ、鶏むね肉、なつめなど。
- 避けたい食材:冷たい飲み物、生野菜、アイス、砂糖菓子など。
- 調理法:煮物、お粥、蒸し料理。
- 暮らしのヒント:朝食を抜かず、よく噛んで食べる。冷たい飲食は控える。
整えポイントは、「食べること=気を養うこと」と捉え、温かく優しい食事を心がける。
- おすすめ食材:しょうが、ねぎ、羊肉、シナモン、にんにくなど。
- 避けたい食材:冷たい飲料、刺身、生野菜、ヨーグルトなど。
- 調理法:鍋料理、スープ、炒め物。
- 暮らしのヒント:湯たんぽや腹巻きでお腹を温める。朝の白湯習慣を。
整えポイントは、体を芯から温めることで、消化力と気力を取り戻す。
- おすすめ食材:苦瓜、セロリ、トマト、きゅうり、豆腐など。
- 避けたい食材:唐辛子、にんにく、アルコール、揚げ物など。
- 調理法:サラダ、冷菜、和え物。
- 暮らしのヒント:夜遅くの食事を避ける。イライラしたら深呼吸。
整えポイントは、熱を冷まし、心身のクールダウンを意識する。
- おすすめ食材:陳皮、にんにく、しょうが、山椒、黒砂糖など。
- 避けたい食材:冷たい飲み物、アイス、冷やし中華、ビールなど。
- 調理法:温かいスープ、煮込み料理。
- 暮らしのヒント:冷たい飲食は控え、常温以上のものを選ぶ。
整えポイントは、胃を温めることで、消化力と安心感を取り戻す。
- おすすめ食材:山査子、大根、麦芽、ウコン、陳皮など。
- 避けたい食材:揚げ物、肉の脂身、スイーツなど。
- 調理法:漬物、酢の物、すりおろし。
- 暮らしのヒント:腹八分目を意識。食後の軽い散歩。
整えポイント:は、食べすぎたら、まず“休ませる”ことから始める。
- おすすめ食材:はと麦、冬瓜、小豆、とうもろこし、生姜など。
- 避けたい食材:乳製品、ビール・パン、冷たい飲み物など。
- 調理法:雑穀ごはん、煮豆、スープ。
- 暮らしのヒント:雨の日は無理せず、ゆったり過ごす。足湯もおすすめ。
整えポイント:湿を追い出し、軽やかな体と心を取り戻す。
食材の選び方、調理法、そして暮らし方、
それらはすべて、脾胃をいたわる「ととのえの手段」です。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、
今の自分に合った“ちょうどよさ”を見つけること。
次は、実際に私が行っている「整え週間」の実践例をご紹介します。
あなた自身の整え方を見つけるヒントになれば嬉しいです。
4:私、ONIGIの整え週間、暮らしのヒント

この章では、私、ONIGIRIが実際に行っている
「整え週間」の過ごし方をご紹介します。
整え週間は、私にとって「自分に寄り添う時間」です。
食材の選び方、献立の組み方、時間の整え方。
それは、日々の暮らしに静かな調和をもたらしてくれます。
ONIGIRIが実践している暮らしのヒント
1:食べることは、整えること
・食材の選び方に「季節」「体質」「気分」を重ねる
・脾胃セルフ診断を参考に脾胃をいたわる献立を組む
・一汁三菜を基本に消化にやさしいメニュー構成を意識する
2:“ちょうどよさ”を選ぶ
・完璧を目指さず、「今の自分に合う」量・温度・時間を選ぶ
・予定を詰めすぎず、余白のあるスケジュールを組む
・体調や気分に合わせて、食材や過ごし方を柔軟に調整
3:五感で季節を感じる
・香り・色・音・肌ざわりなど、暮らしの中で季節を味わう
・季節の草花や旬の食材を取り入れ、自然との調和を育む
・暮らしの中に「小さな季節の儀式」を持つ
決して特別なことをするわけではありません。
朝は白湯を飲んで一息つき、体の声を聞く。
昼は消化にやさしい献立で気を養い、
午後は五感を休めるように、香りや音に包まれる時間をつくる。
夜は、心を鎮めるお茶を淹れて、1日を静かに締めくくる。
「今の自分に、ちょうどいい」ものを探して実践すればいい。
脾胃にやさしく、季節に寄り添う。
そんな日々の積み重ねが、暮らしの質をじわじわと変えていきます。
これがONIGIRIが考える「ととのえの哲学」です。
5:まとめ 脾胃を整えることは、自分を整えること
脾胃は、ただ食べ物を消化する器官ではありません。
私たちが食べたものを“気血”に変え、全身に力を巡らせる大切な場所。
冷えや湿気、ストレス、食べすぎ。
日々の積み重ねで、脾胃は少しずつ疲れていきます。
そして、疲れやすさ、冷え、食後の眠気などの症状が現れたとき。
それは、脾胃からの静かなサインかもしれません。
薬膳の知恵は、その声に耳を傾け、
食材や調理法、過ごし方を通して、体と心を整える道しるべ。
自分の体質を知り、季節や気分に合わせて選ぶ
一椀のお粥、一杯の温かいお茶が、
脾胃を整え、暮らしの質や感情の安定、
そして日々の活力を支えてくれます。
あなたの脾胃は、今日、どんな声をあげていますか?
その声に、そっと耳を澄ませてみてください。
整えは、いつも、日々の中にあります。

ご質問や、みなさんの整え方も、ぜひ教えてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございます。